渋谷さんがやっていた、土地なし客へのフォローの仕方を 教えてください
● 渋谷さんがやっていた、土地なし客へのフォローの仕方を 教えてください
こんにちは、渋谷です^^
土地なし客を、契約できたら良いな、と住宅営業マンのみなさんも思っていると思います。
もちろん、私もそうでしたから^^;
一度計算してみたとき、1年間に展示場に来場してくる、お客様は、約7割が土地なし客で、残り3割が土地ありや建て替え客という結果がでました。
7割ものお客様が、土地なしです。そりゃ、この数字を見たら、なんとか土地なし客を攻略できないか?考えますよね。
しかし、あえて私は、残り3割の、建て替えや土地あり客に、ターゲットを絞り込んでいました^^
なぜか?上記のように、7割のお客様が土地なしです。どう考えても、競合会社も、土地なしを狙ってくるはず。
ということは、土地ありや建て替えのお客様への営業の質が落ちるはずだ、と勝手に考えたのです。
私の戦略は、残りの3割の土地あり客に、全力を注ぎ込み、競合する住宅営業マンに勝つ!というものです。
そのかわり、土地を探す必要はないですし、土地ありだけに絞り込んでいるので、契約までの提案に集中することが出来ます。
土地あり客や建て替え客だけでも、十分な成績を残すことは出来ましたし、まずゼロを打つことはありませんでした。
土地あり客や、建て替え客だけでも、十分に結果がでることを、まずは覚えておいてくださいね^^
ただ、今回は土地なし客の話ですね。
私は、土地あり客だけに絞って、営業していました。すると、ある誤算があったのです。
ある日、あるお客様が、展示場にやってきました。
私は、早速、土地ありかどうかを、見極めに入ります。すると、土地ありとのこと。
私は、いつもどうりの接客をし、筆談にて、お客様の要望を聞き出していました。
プランの話や、資金計画の話まで、数時間かけて、しっかりとお話をし、お客様の買う気がUPしてきたので、いざ、アポイントを取ろうと思ったときです。
お客様
「あのー、実は、土地はあるんですが、実家の田舎で、もう空き家なんです。もうこちらで、生活がまとまっているので、できれば、こちらで新たに土地を探して、家を建てようかな?と考えているんです」
私
「そ、そうなんですか?」
私は、しまった!土地なしではないか!と感じてしまいました^^;
お客様
「渋谷さんのところでは、土地は探していただけるんですか?」
私
「いえ、私共は、住宅会社なので、土地を探したりはしていません。ただ、土地の資料はありますが・・・」
お客様
「そうですか、見せてもらえますか?」
私
「え、ええ、大丈夫ですよ」
私は、『あー、今日はダメだな。今日はアポ無しか・・・』とガッカリしていたのです。
私
「こちらが、土地の資料です。どうぞ、ごらんください」
お客様
「あ、コレは知ってるな!これも、あそこで見ましたよ」
私は、『でたー、土地ばかり探しているんだな』と思いました。
お客様
「もう、他には土地、ないんですか?」
私
「はい、これだけですね」
お客様
「土地を探すんですけど、なかなか良い土地はないですよね?何かコツはあるんですか?」
私は、もうアポイントは、あきらめ、ざっくばらんに話しはじめました。
私
「住宅会社に、土地を探して廻っても一緒です。なぜなら、住宅会社が独自に土地を持っていれば別ですが、ほとんどの会社の情報は、不動産屋さんが資料を持ってきてくれるんです。もちろん、これもそうです。ですから、どこも同じ土地の情報しかありません。あとは、●●さんが、足をつかって、土地を探すしかありません」
お客様
「そうなんですねー、でも、他の方は、探してくれるらしいんですけど」
私
「そうですか、失礼ですが、それは、お客様がいない営業マンの方ではないですか?お客様から、ご指示が高い営業マンは、土地を探すというような時間がないのが実情だと思います」
お客様
「そうなんですね、そうか、だからか・・・」
私
「なんですか?」
お客様
「いえね、土地を探してきてはくれるんでけど、どうも、ピンッと来ないんですよね」
私
「それは、営業マンのせいではないですよ^^;●●さんが、まだ、理想が高いからです。土地探しっていうのは、いわば、どれだけ妥協できるか?ですからね」
お客様
「妥協?ですか」
私
「はい。今の状態は、都心に近くて、交通の便がよく、環境、すなわち学校や病院、スーパーなどが近くにあって、できれば公園などがあれば良いなー、とお考えじゃないですか?」
お客様
「そうですね、やっぱり理想ですか?」
私
「いいえ、現実には可能ですよ。しかし、そのような土地は、目が飛び出るぐらいの値段がします^^;」
お客様
「そうですか!」
私
「はい、もちろんです。少し、本音でお話させていただいてもよろしいですか?●●さんには、耳が痛いかもしれません^^;」
お客様
「はい、お願いします」
私
「まず、●●さんの希望しているような土地はありません。なぜか?そのような土地は、表にでてこないで、すぐに取引させてしまうからです」
お客様
「そうなんですね」
私
「万が一、良い土地があったとしても、●●さんが買えるかどうかはわかりません」
お客様
「そうですよねー」
私
「あと、ハウスメーカーを廻っても、良い土地はほとんどないですよ。だって、不動産屋さんが、資料を持ってきてるんですから^^;」
お客様
「そうなんですかー。なるほどー、もっと話を聞かせてください」
私
「失礼ですが、なぜ、●●さんは、ご自身で、お土地を探されないのですか?」
お客様
「そうですよね、自分で探すのが本当なんですよね。でも、どうも、不動産屋さんが苦手でして」
私
「不動産屋さんが、苦手?なぜですか?」
お客様
「勝手にですよ、勝手に思ってるんですが、騙されやしないか?不安なんですよね」
私
「そうですか、じゃあ、まだ不動産屋さんには、行ってないんですか?」
お客様
「いいえ、何社か行きましたよ」
私
「じゃあ、土地も紹介されたんじゃないですか?」
お客様
「はい、そうなんですけど・・・」
私
「良い土地がなかったんですか?」
お客様
「それもありますが、なんか、不動産屋さんが、売ろう、売ろうとしてくるので。土地は生物ですからとか言われると、なんか信用できなくて」
私
「まー、そりゃ、不動産屋さんも、土地を売りたいでしょうからね^^;」
お客様
「そしたら、知り合いが、住宅会社が探してくれると聞いたもので」
私
「そうなんですね、まー、探してくれる会社もあるでしょうね」
お客様
「はい、他の会社も、色々探してはくれたんですけど、なんか良いのがなくて」
私
「あのー、●●さんは、お家、建てないでしょ?^^」
お客様
「え?いいえ、建てようとしてます」
私
「まず、話を聞いていると、不動産屋が信じられない、住宅会社が探してきた土地は、気に入らない。失礼ですが、どうやって、お家を建てるのですか?^^」
ここは、笑顔で!
お客様
「んー、言われてみればそうですね・・・」
私
「そうやって、何年も土地を探しつづけている方は、たくさんいらっしゃいますよ」
お客様
「何年もですか?」
私
「はい、そして、最後には疲れてしまい、計画が頓挫してしまうんです。ですから、先ほど、家は建てないでしょ?と聞かせていただいたんです」
お客様
「本当ですねー、このままだと、そうなりかねないですね」
私
「いや、かもではなく、そうなります^^;」
お客様
「どうしたら良いんですか?」
私
「そうですね、私だったら、まずは、土地よりも自分が建てたい家を考えます。そして、その金額を差し引いた金額以内で、土地をさがしますね。そうしないと、土地ばかりにお金を使ってしまい、肝心の家は、安く建てなければいけなくなります。そうすると、本末転倒だと思いませんか?」
お客様
「それは、イヤですねー」
私
「でしょ?でも、土地を探している方は、頭がもう土地一色になってしまっているので、住宅との兼ね合いを考えずに、土地を探しているんです。良い土地を探し当てても、家の金額が低くなる、といった具合に、ぐるぐる廻りつづけることになるんです」
お客様
「そうですね、家の金額は、きちんと抑えておかないと、まさに本末転倒ですね」
私
「ですから、今、●●さんの希望と、資金計画をださせていただきましたよね」
お客様
「はい、これでしょ?」
私
「もし、仮に、●●さんの理想のお家が、このプランでOKならば、この資金計画から、おのずと土地の金額がでてくるはずです」
お客様
「はい、そうですよね」
私
「そしたら、その金額の範囲内で、土地を探せば良いですよね?」
お客様
「そう言われれば、そうですね」
私
「そして、その中の土地から、妥協をしていき、最終的に残ったものが買える土地ということです。このようにして、土地は探さないと見つかりませんよ」
お客様
「そうですよね、分かりました。そうすることにします」
お客様
「すると、私達は、どれくらいの金額の土地を探せば良いですか?」
私
「仮に、私共でお家を建てていただけると仮定したとしたらで良いですか?」
お客様
「はい、お願いします」
私
「今の●●さんのご要望では、多分、●●万円ぐらいの家を見ておけば良いと思います。ご予算は、おいくらですか?」
お客様
「そうですね、ハッキリとはしていませんが、●●万円ぐらいを考えています」
私
「●●万円の根拠はあるんですか?」
お客様
「はい、借り入れは、会社の系列で頼もうと思ってまして、●●万円の融資は大丈夫と言われています」
私
「そうですか、失礼ですが、土地からとなると、自己資金があるていど必要になりますが、どれくらいを考えていますか?」
お客様
「そうですねー、ハッキリと決めているわけではないですが、●●万円ぐらいは、準備できると思います」
私
「そうですか、であれば、単純に、借り入れ額から、建物の●●万円を引いた●●万円が、土地代ですね」
お客様
「え、自己資金分はどうなるんですか?」
私
「自己資金は、現金が必要になってきますので、すべてを金額に入れてしまうと、カツカツになってしまいます」
お客様
「そうなんですね。分かりました」
お客様
「そうしたら、私達は、どうすれば良いですか?」
私
「え?どうすればというと?」
お客様
「いえ、どこかの不動産屋を廻るのが良いですか?」
私
「あ、なるほど、不動産屋ですね。私の知っている方を紹介しましょうか?」
お客様
「え?いるんですか?是非、お願いします」
私
「わかりました。それじゃ、今、電話してみましょうか?」
お客様
「ええ、お願いします」
私
「ちょっと、待ってくださいね。今電話しますから」
私は、いつも不動産情報を届けに来てくれる不動産会社の営業マンに連絡をしてみました。
もちろんOKで、金額と、土地の範囲を教えてください、ということでしたので、そのまま教えました。
すると、その営業マンが、今、アポイントが取りたいということでしたので、お客様に聞いてみました。
私
「●●会社の●●という方ですが、お土地を探していただけるということです。それで、一度お会いして話を聞かせて欲しいと言ってますが、そうされますか?」
お客様
「そうですか、是非お願いします」
私
「では、直接、お話ください」
と、お客様に電話をわたしました。不動産屋さんの営業マンと直接アポイントを取ったみたいで、なぜか喜んでいました^^;
お客様
「渋谷さん、今日は本当にありがとうございました」
私
「いえいえ、良い土地が見つかると良いですね^^」
と言って、お客様が帰られていきました。その時間なんと、6時間です・・・
外は、もう暗くなっていました。
数日後、不動産屋の営業マンから、私に連絡がきました。
私
「はい、渋谷です」
不動産屋
「あ、渋谷さんですか?先日の●●さんのことなんですが」
私
「あー、はいはい。どうかしましたか?」
不動産屋
「一応、土地が決まりそうです」
私
「そうですか・・・、でどこで建てるか言ってました?」
不動産屋
「え?そりゃ、渋谷さんでしょ?」
私
「いいえ、そんな約束はしていませんから^^;」
不動産屋
「いえ、渋谷さんに、一度土地を見てもらいたいって言ってましたよ」
私
「そうですか、金額は大丈夫ですか?」
不動産屋
「はい、問題ありません。しかし、えらく、渋谷さんのこと、気に入ってましたよ」
私
「え?なんでですか?」
不動産屋
「あれだけ、正直にざっくばらんに、話してくれたのは、渋谷さんだけって奥様が言ってましたよ」
数日後、そのお客様から連絡があり、無事に、住宅も契約することが出来たのです。
このことから私は、土地なし客には、次のような手をうつことにしました。
・着座後、きちんと希望を聞いて、カンタンなプランを描く
・そのプランで、ある程度の資金計画を、惜しみなく教えてあげる
・土地の探し方の資料をみせる(事前に作成)
・なぜ、注文住宅を建てたいのか?(マンションや建売ではダメなのか?)
・本音を話す(上記みたいなことです)
・不動産屋の営業マンを紹介する
・その場で、不動産屋さんとアポイントを取る
・あとは、連絡がくるのを待つ
これだけです。土地は探しませんし、連絡もしません。お礼の手紙は出しますが。
ここで、戻ってきていただける、お客様だけを商談にのせていました。
ほっておいて、お客様が戻ってくるのか?心配ですよね^^
それが、戻ってくるんです。きちんと、誠意をもって、建物の説明や、資金計画をしてあげると、かなりの確率で戻ってきます。
なぜか?競合他社は、普通に土地をさがして、お客様に届けるだけ。これでは、お客様は不安なのです。
最初にきちんと、プランや資金、要はお金の話ですね。これをしてあげると、お客様からの信頼が厚くなるのです。
もちろん、土地が決まらない方もいらっしゃいましたよ。でも、私に連絡を取ってくるんです。
お客様
「渋谷さん?」
私
「はい、●●さんですか、こんにちは」
お客様
「あそこの土地は、買えないの?たくさん空いてるみたいなんだけど」
私
「あそこは、●●ハウスさんが、仕切っているので、こちらでは、何ともできないんですよ。●●ハウスさんに、行ってみたらいかがですか?」
お客様
「いやー、実は行ったんだけどね。渋谷さんが良いんだよー。なんとかならない?」
私
「いやー、私の力ではムリですよ^^;」
と、このようなお客様も現れてくるようになりました。
土地を住宅営業マン自ら探すのは、リスクが大きいです。その月に契約できても、土地探しに時間を取られるので、次の月は、ゼロを打つ可能性が高いのです。
土地なし客ばかりで、トップ住宅営業マンを見たことがありません・・・もちろん、世の中にはいるかもしれませんよ^^;
ここまで、お客様に誠意を持って接しても、知らんぷりする、お客様ももちろんいます。
しかし、それはそれで仕方ありません。
要は、基本は、土地あり客が本命で営業していく。そして、土地なし客にも、布石を打っておく。
これが、一番成績を上げる方法です。
よく土地なし客が多いから、と会社は言いますが、土地なし客が、すべて注文住宅を建てるわけではありません。
土地なし客の中には、マンションを買ったり、建売を買ったり、といろいろいらっしゃるのです。
そう考えると、土地なし客が多いとは、決して言えないのです。
よく分譲地をみると、非常に良い立地で、自分でも、ここ良いなー、という土地があります。
しかし、売れ残っている・・・もちろん、それなりの金額はします。
これは、土地なし客が、土地があれば、土地を買って、住宅を建てるということではないことがわかります。
土地なし客の場合は、きちんと資金計画をしてあげると、買えないということも十分ありえることです。
今回は、私の土地なし客への営業方法を紹介しましたが、もし、あなたが、土地なし客が得意だ!というのであれば、変える必要は、まったくありません。
それぞれ、得意、不得意があるのですから^^
また、今現在、土地を探して回り、お客様に紹介しても、土地が決まらないで困っている、住宅営業マンの方は、参考にしてみてくださいね。
それでは、よろしくお願いいたします。
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